日本では、犬を飼うとき、成犬より子犬から飼われる方が多いのではないでしょうか?
それに比べ、ヨーロッパなどでは、店頭での生体販売をしていないということもありますが、たいてい保護施設などから迎える人が多いですね。

子犬が欲しければ、ブリーダーからというのが一般的です。
では、なぜ日本人は子犬ばかり欲しがるのでしょう?
日本では、「犬を飼う=子犬から」というのが定番になっています。
「子犬からの方がなつくから」という理由もあると思いますが、やはり断然「子犬が可愛いから」なんじゃないでしょうか?
子犬の中でも、特に小さくて月齢が若い子ほど好まれます。
「見た目が小さくてかわいい」子犬の方が売れるため、以前はペットショップで生後1ヶ月ちょっとの子犬が売られていました。

ということは、親元から離されるのはもっと前なわけで。
社会化どころではありませんね・・・
現在は動物愛護法が改正され、生後56日(8週間)を経過しないと販売ができなくなっています。
店頭に並ぶのが生後2ヶ月からとなると、すぐに売れなければどんどん大きくなっていき、あっという間に生後3ヶ月になるわけです。
「小さい見た目を好む」日本人には売れないため、みるみる値が下がっていきます。

もはや「売れ残り」扱いです😢
そこで考えて欲しいんです。
はたして、生後2ヶ月の子犬と生後3ヶ月の子犬、育てやすいのってどちらだと思いますか?
目次
日本とヨーロッパの犬文化の違い
それを考える前に、まずは日本とヨーロッパの犬文化の違いを見てみましょう。
日本とヨーロッパの犬文化の歴史を見ると、大きな違いがあることが分かります。
日本の犬文化
日本では古くから「犬は番犬」として飼われていました。
なので、庭先に犬小屋を建て、外飼いをしていたんですね。

日本人には馴染みの風景です。
そのため、日本人には「犬をしつける」という概念がありませんでした。

日本では、犬は家を守ってくれる家族で、子供のような存在だったんです。
ヨーロッパの犬文化
一方、ヨーロッパはどうでしょう?
ヨーロッパでは、犬は家族でもあり、かつ「仕事のよきパートナー」でもありました。

ちなみに、ヨーロッパでは犬は室内飼いがほとんどです。
犬は、それぞれ役割(仕事)を持っていたんですね。
そのため、ヨーロッパでは古くから、やってほしい仕事をさせるため、犬の性格や特性を考えて交配し、改良を重ねてきました。
そして、目的に合った犬種をたくさん生み出してきたんです。
純日本犬の特徴とは?
現在世界で公認されている犬種は400種以上にのぼります。

原産国として上位を占めるのはヨーロッパ勢です。
このうち日本が原産の犬種は13種ですが、純血である日本犬は6種しかいません。
柴犬、秋田犬、北海道犬、紀州犬、甲斐犬、四国犬の6種ですが、この中でその姿がパッと浮かぶのって何種類いますか?
人気犬種ランキング常連の「柴犬」でしょうか?
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ぶさかわ犬として人気のあったわさお君に代表される「秋田犬」でしょうか?
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はたまたソフトバンクのお父さん犬で有名な「北海道犬」でしょうか?
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ここで何か気づきませんか?
どれもフォルムが一緒なんです。顔も似てますね。

この姿形、「ザ・日本犬」て感じですよね。
つまり、日本では「犬を飼う目的が番犬」だったため、あえて大きさや形を変える必要なんてなかったんです。

あえて言うなら、丈夫でちゃんと吠えてくれれば、って感じでしょうか・・・
ここが日本とヨーロッパで大きく違う点です。
ヨーロッパで犬を飼う場合、何の仕事をさせるかで選び、日本では大きさや見た目の好みなどで選ぶということですね。
最近では、マンションのような集合住宅で犬を飼う人が増え、小型犬の人気が高まっています。

人気のトイプードルの中でも、さらに小さい「タイニープードル」や「ティーカッププードル」が高値で取引きされています。
成犬ですら小さい子が欲しがられる時代です。
子犬なんか言わずもがなですね。
見た目が可愛い
👉やっぱ成犬より子犬だよね
👉子犬でも3ヶ月よりは2ヶ月の方が赤ちゃんみたいで可愛いよね
これが「見た目重視」の日本人の思考回路になるわけです。
子犬の生後2ヶ月と3ヶ月はこんなに違います!
日本では、子犬を飼うとき、生後2ヶ月でペットショップやブリーダーから購入される方が多いのではないでしょうか。
私も先代犬のシュナウザー「ボノ」、そして現役パピーの「ハル」とも、生後2ヶ月でブリーダーさんから迎えました。
でも、経験者の方ならご存知だと思いますが、生後2ヶ月の子犬のお世話ってすごく大変なんです。
生後2ヶ月の子犬の1日
生後2ヶ月の子犬の1日ってこんな感じです。
☆我が家の子犬、ミニチュアシュナウザー(♂)「ハル」の場合
(ハウス:はクレート、トイレはトイレサークル、寝る時は寝室にクレートを持って行き、その中で寝せています。)
5:00 起床、すぐトイレ(クインクインと鳴いて起こされる)
→朝ごはんまで1時間ほどおもちゃで遊ぶ
6:30 朝ごはん(少しふやかす)、トイレ
→ハウスまで2時間ほどおもちゃで遊ぶ
9:00 ハウスでお昼まで寝かす
12:00 ハウスから出し、トイレ
→1時間ほど遊び、ハウスへ
16:00 お昼ごはん(少しふやかす)、トイレ
→その後、カート散歩30分、帰って来たら夜ごはんまでひたすら遊ぶ
18:00 夜ごはん(少しふやかす)、トイレ
→3時間ほど、おもちゃでひたすら遊ぶ
21:30 電池が切れ、ようやく寝る
この中で、基本的にトイレは、「朝起きてから」と「食後」、「ハウスから出してすぐ」は必ずさせます。
ですが、遊んでいる間は、前ぶれもなくショットおしっこやうんちを頻繁にします。
この時はトイレに誘導ができないので、ラグやフローリングにしてしまうことが多いです。

ざっと、20回以上はしてますね。
トイレのしつけはおやつを使ってやりますが、生後2ヶ月だとまだおやつの認識があまりないため、トレーニングの効果も限定的です。
この時期、市販のおやつはまだ食べさせられないので、おやつと言っても基本はドッグフードになり、余計ご褒美感がないんでしょうね。
なので、トイレシートでちゃんとおしっこができておやつをあげても、目の前に出されたからとりあえず食べるみるといった感じです。
さらにハルの場合、2ヶ月半から食糞が始まりました。
そのため、ハウスから出している間は余計に目が離せず、ホント、ひぃひぃ言いながら世話してました。
食事も1日3回、毎回ドライフードを少しふやかして与えていたので、結構大変でした。

ふやかすと口の周りがべちょべちょになるので、食後は拭き取りも欠かせません。
家にいる間は1日中、ハルのお世話に追われている感覚でした。
生後3ヶ月での変化
生後3ヶ月で、2回目ワクチンが終わり、散歩デビューするわんちゃんが多いですね。
ハルの場合、その3ヶ月を機に、急にいろいろ変わりました。
ハル、生後3ヶ月の変化
- おもちゃを使った一人遊びの時間が減った→これは、散歩デビューしたことで、心身ともに疲れるからだと思います。
- 甘噛みがぐっと減った→噛むまねをするようになりました。寸止めって感じです。
- トイレの成功率が上がった→おやつの認識が出てきたため、トレーニングが入りやすくなりました。
- 吠えて意志表示するようになった→2ヶ月の時はまだ吠えるということが分かっていないため、クインクインと鳴く以外に、たまに「ワフ」とか「ブフ」とか言っていましたが、3ヶ月前後からだんだん「ワン」と鳴けるようになってきました。
- ごはんが3回から2回に減り、さらにふやかすのが必要なくなったので、食事が楽になった(これはハルの変化ではないですが・・・)
その他にも、私がしゃべると、なんか考えているような顔をします。
体も日に日に大きくなりますが、頭もどんどん賢くなっていくのを実感するのが生後3ヶ月からなんです。
まとめ
子犬の生後2ヶ月は想像以上に大変ですが、生後3ヶ月くらいから急激に飼いやすくなります。
ですので、初めて子犬を飼うので不安、どういう風に育てればいいか全然分からないという方は、生後3ヶ月以降の子犬をおすすめします。
逆に、時間は十分あるので、手間暇かけて子犬育てを楽しみたいという方は、ぜひ生後2ヶ月で迎えてみてください。
ある意味、生後2ヶ月の大変さを経験したからこそ、生後3ヶ月での変化や成長を実感することができるんですよね。

その変化を体感するとホント感動しますよ。
なお、一人暮らしやDINKSなどで、お留守番の時間が長いご家庭は、子犬を飼うこと自体もう少しよく考えてからにしましょう。
「これだけ手がかかる子犬を今の自分の環境で、果たして飼えるだろうか?」と自問自答してほしいんです。
ここに書いていないことで、歯磨きにシャンプー、ブラッシングなどのお手入れもあります。
さらには、トイレ以外にも「お座り、待て、おいで」など、いろいろなトレーニングも行っていかないといけません。
犬を飼うのは、本当にほんと〜うに大変なんです。

生半可な気持ちでは飼えません!
しかし、愛情をたっぷりかければ、何百倍もの無償の愛情を返してくるのが「犬」です。
ワンコから最高の癒しと愛情をもらう代わりに、「飼い主としての責任」をしっかり果たしましょうね!
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