子犬を飼おうと思った時、とりあえずペットショップに足を運ぶ人がほとんどではないでしょうか。
でも、「いろいろ調べてみると、ブリーダーから購入する方がいいのかも」とか、「やはり、殺処分を減らしたいから保護犬も見てみよう」などと迷い始めてしまいますよね。
そこで、どこから購入したらいいのか、それぞれの購入先のメリット、デメリットを考えてみます。
目次
ペットショップのメリット・デメリット
まずはペットショップです。
ベットショップのメリット
- 手軽である
- いろいろな犬種を一度に見られるので、比較ができる
- 手続きやサポートが充実している
やはり、ペットショップのメリットは何と言っても「手軽さ」ですよね。
ふらっと見に行けば、一通りの犬種の子犬たちが揃っています。
しかも、気になる子がいれば抱かせてくれます。

これがクセモノ!
抱いてみれば、子犬はどの子もかわいいですからね💕
情が移ったところで、店員さんに「もう明日には売れてしまうかも。早い者勝ちですよ。」なんてささやかれるわけです。
抱いている子犬にじっと見つめられ、「この子が運命の子かも!」と感じたことのある人は多いのではないでしょうか。
いざ契約すると、ワクチンの摂取についてや散歩を始める時期などなど、店員さんが詳しく説明をしてくれます。

中には、マイクロチップが挿入済みのお店も。
そして、すぐに必要なものは、その場で購入も可能です。便利ですね。
またドッグフードを定期的に送ってくれる有料サービスがあったり、お店でしつけ教室やパピーパーティを開催しているお店もあります。
「初めて子犬を飼う」という方には、手軽な上に心強いですね。
ペットショップのデメリット
- 早いうちに親兄弟から離されるため、子犬の社会化ができていない
- 親犬を確認できないケースが多い
- 値段が高い(かなり言い値)
一方で、子犬が早い時期に親兄弟から離されてしまうため、社会化できないという問題もあります。
子犬の社会化期は、「生後1ヶ月〜3ヶ月」のため、生後30日程度で親元から引き離されるペットショップの子犬たちは、この貴重な時期を店頭のショーケースの中で過ごすことになります。
ちょっと郊外のペットショップだと、広めのショーケースに子犬を2頭入れて遊ばせたりしていますよね。
これは社会化をさせようとしているんです。

選ぶならこういうペットショップがいいですね。
甘噛みしあったり、プロレスごっこしていたり、見ていて飽きません。
子犬の甘噛みって、3週〜4週齢で始まるようです。
『犬のモンダイ行動の処方箋(中西典子著)』では、著者の中西さんがシュナウザーを多頭飼いしていて、子犬の観察をしていたところ、「生後27日で子犬同士の甘噛みが始まった」と書いています。
また、ペットショップにいる子犬は、親犬が分からないケースが多いです。
つまり、親犬の体格や病歴などが不明ということです。
これから何年も生活を共にするパートナーとして、成犬になった時の大きさや遺伝的な病気があるのかなど知っておくことは大事です。

そのためにも、できれば親犬を確認できる方が安心なんですね。
最後に価格です。
先代犬が亡くなってから、すごく久しぶりにペットショップに行ったんですが、価格に驚愕してしまいました。
2020年12月時点ですが、うちの近所のペットショップでは、だいたいどの犬種も40万円〜50万円(税抜き)でした。

コロナ禍の巣ごもり需要で、ペットを飼う人が激増しました。
それにつれてペットの価格もつり上がったわけですね。
ちなみに、「住みたい街ランキング」でいつも上位にくる『吉祥寺(東京都武蔵野市)』のペットショップものぞいてみました。
ここ1〜2年でペットショップが急増した吉祥寺ですが、週末はどの店も多くのファミリーでごった返しています。私もまぎれて入ってみたところ、その価格にまたまたびっくり。
安くて50万円台。ボリュームゾーンは「70万円〜80万円」です。
ふと見ると、中央にまるで高価な宝石のように展示されている子犬が2頭。
お値段はなんと、「160万円!!!」 ひぃぃ〜

目ん玉飛び出ます
ペットショップでは、入荷したばかりが当然1番お高いわけですが、そこからの値下がり具合がなかなかエグイです。
1〜2週間ごとに、7〜8万くらい一気に下がっていくので、1ヶ月も経つと、最初の価格の半値になっていることもざらです。
ただ、気に入った子が値下がりするまで待っていると、その間に売れちゃったりするわけで、タイミングと価格の兼ね合いって意外と難しいですね。
ブリーダーのメリット・デメリット
次はブリーダーについてです。
ブリーダーのメリット
- 良質な血統の優秀な子犬を扱っている
- 子犬の社会化ができている
- 親犬や飼育環境を実際に見れるケースが多い
- 専門知識が豊富
- 相場内の適正価格で購入できる
ブリーダーさんから購入する最大のメリットは、良質な血統の子犬に出会える点です。
ブリーダーさんはこだわりを持ってブリーディングをしていますので、毛色や体格など優秀な子犬が多いです。
また引き渡しのぎりぎりまで親犬や兄弟犬と一緒に過ごしますので、社会化もある程度できています。
そして、その親犬や兄弟犬も希望すれば見せてもらえます。
逆に断られるようでしたら、そのブリーダーはやめた方がいいです。
またブリーダーさんは専門知識も豊富なので、子犬の育て方やトイレトレーニング、ワクチン摂取、犬種の特徴などなど、詳しく教えてくれます。
購入して終わりではなく、その後もメールやLINEなどでいろいろ質問できて、サポートはペットショップと大差ない場合もあります。
価格については、どうでしょうか?
私は今回、ミニチュア・シュナウザーの子犬を探すにあたって、ブリーダーサイトとペットショップのサイトを見比べてみました。
そこにはやはり相場があり、ペットショップはお店によって価格がピンキリですが、ブリーダー価格は相場を著しく超えたりすることはなかったです。

ブリーダーからだと適正価格で購入できるということですね。
ブリーダーのデメリット
- 信頼できるブリーダーを見分けるのが難しい
- 直接見学に行く必要がある(都心は少なく、地方や郊外が多いです)
ただ、初心者だとどうやってブリーダを探せばいいのか分かりませんよね。
とりあえず、ブリーダーサイトは見てみるけど、どのブリーダーさんを選べばいいのか決められないという方は多いのではないでしょうか。
中には悪質ブリーダーもいます。
「パピーミル」のような繁殖をしているブリーダーもいます。
結論から言うと、実際に問い合わせて、見学に行き、自分の目で見て判断するしかないです。
以下、私の個人的な判断基準です。
- 問い合わせ時の対応が早く、誠実であるか
- 親犬や飼育環境を見せてくれるか
- 価格が相場より著しく安くないか
実は、今回ハルを迎えたブリーダーさんの前に、別のブリーダーさんを見に行きました。
そこは、100頭以上飼育している比較的大規模なブリーダーさんでした。
事務所?の前には十数頭の犬がケージに入れられ、けたたましく吠えていました。
中に入ると、ところ狭しとケージやダンボールが置いてあり、清潔感はなかったです。
子犬も写真とはずいぶん印象が違って見えました。
ブリーダーさんに「親犬を見せて欲しい」とお願いしましたが、「それはできない」と言われました。
「出産したばかりでぼろぼろだし、気が立っているから」というのが理由でした。
早々に退散したのは言うまでもありません。
ブリーダーの規模について
一口にブリーダーと言っても、その規模はさまざまです。
- 家庭犬の延長で、特定の犬種だけ数頭でブリーディングをしている
- 数種類の犬種に特化して、小規模にブリーディングをしている
- 数十種の犬種を数百頭飼育し、大きな犬舎で大規模にブリーディングしている
この中でおすすめなのは、ずばり「1」のブリーダーさんです。
「1」のブリーダーさんは、犬を犬舎で飼うのではなく、家の中で家庭犬として一緒に過ごしています。
なので、親犬も子犬たちも飼い主さんの愛情をたっぷり受けて育っているわけです。
我が家では、先代犬のボノも今回のハルも、家庭犬の延長でブリーディングをしているブリーダーさんから迎えました。
ハルの場合は、購入を決めてから引取りまで、ちょうど1ヶ月ありました。すると・・・
- 名前を伝えたら、子犬がその名前を早く覚えるよう毎日呼びかけてくれる
- トイレシートでの排泄を練習させてくれる
- 週に2〜3回子犬の様子を写真や動画で送ってくれる
など、本当にきめ細やかで至れり尽くせりでした。
それもこれも、少数飼いだからできること。
大規模ブリーダーさんの場合は、純粋に繁殖を生業にしているため、1頭1頭のケアはそこまでできません。

何百頭もいるワンコのお世話だけでも、相当大変ですね。
トイレも犬舎に新聞紙をしいて、そこで排泄させていることが多いようです。
ただ、犬種が決まっていないので、複数の犬種の子犬を見たいという場合は、メリットがありますね。
また、繁殖数が多いため、価格が手頃なのも魅力です。

ただし、「安いから」と言って、飛びついてはいけません。
ペットショップは売れ残ると安くなりますが、ブリーダーはそういうのがありません。最初から相場よりかなり安いところは、一応理由を聞いてみましょう。
大規模ブリーダーさんの場合、本当に犬が好きで、犬舎もまめに掃除し、広いドッグランでたっぷり遊ばせ、清潔な環境や健康に十分配慮している方もおられます。
一方で悪質なブリーダーもいるので、しっかりと見極めることが大事ですね。
保護犬を引き取るという選択肢
最後に保護犬という選択肢について考えたいと思います。
増える保護犬、その理由
2020年はコロナ禍の巣ごもり需要で、ペットを飼う人が急増しました。
それに伴い、放棄する人も増加。保護団体にも飼えなくなったと持ち込む人が後を絶ちません。
また、2020年の改正動物愛護法により、今後ブリーダーの「数値規制」が行われ、廃業するブリーダーが増えると言われています。

最近は、高齢を理由に廃業するブリーダーも多いらしいですね。
この意味するところは、何百頭、あるいは何千頭もいる繁殖犬の行き先がなくなるということです。
日本はいまだ動物を「モノ扱い」しており、欧米に比べても意識がとても低く、今回の改正でもまだまだ足りないと感じますが、少しずつでも変わって行くことは大事なことです。
ただその過程で、一時的ではありますが、どうしても廃業などが増えるのも事実です。
そこで、安易に処分されないよう多くの保護団体が引き取りをして、命をつないでくれているんです。
保護団体の活動
私がFacebookでフォローしている保護団体は、自治体の要請を受けて、主に廃業するブリーダーの繁殖犬や多頭飼育崩壊現場の犬や猫を保護し、病気の子がいれば治療したり、里親を探したりしています。
いつも拝見していますが、なかなか壮絶な現場です。
病気でも放置されている子や糞尿まみれの子、ガリガリにやせ細った子、本当にさまざま。

ひどい話です。😔
こうやってレスキューされた犬猫たちは、それまで過酷な環境で飼育され、人間を極度に怖がったり、さまざまなトラウマを抱えている子が多いです。
もし、その辺を十分理解し、家族の同意も得られて、飼える環境が整っているのなら、「保護犬を迎える」という選択肢もありだと思います。
私自身、まだ保護犬を迎えたことがないので、その時がきたら、改めて詳細なレポートをお届けしますね。
まとめ
まとめるとこうなります。
- 子犬が欲しいなら👉家庭犬の延長でブリーディングしている「小規模ブリーダー」がオススメ
- 成犬でもいいなら👉保護団体や保健所から保護犬を引き取るという選択肢もアリ
どうしても、ペットショップがいいという方には、「島忠ホームズ」をおすすめします。
「島忠ホームズ」とは、株式会社島忠(本社:埼玉県さいたま市)が運営する家具やインテリア、日用品などを販売するホームセンターです。
こちらでは、もともとペットショップと同じように、ペットの陳列販売も行っていました。
しかし、最近新たな取り組みとして、ペットの陳列販売を廃止し、保護動物の譲渡会を行ったりしています。
また、子犬が欲しいというお客様には、島忠が認可した優良なブリーダーさんを紹介する等の活動もされています。
大手企業としては、チャレンジングな取り組みかもしれませんが、こういう企業が今後もどんどん増えてくれることを切に願うばかりです。
東洋経済オンライン/島忠が目論む「動物保護活動新時代」の幕開け

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